腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「あの、今日は挙式の相談に伺いました」

ちょっと強引に話を持ちかける。

「え! 挙式⁉︎
光ちゃん、賢人と結婚するのかい?」

「あ、はい。
あの……1月末までに挙げたいんです」

「そうかー。2人がねぇ…。
おめでとう!
天使の光ちゃんがねぇ…
良縁だね。2人、お似合いだ。
急いでるのは、賢人も海外研修に出るのかい?」

さすが、川崎さん。
事情まで察してくださる。

「はい。
どうしても、式を挙げてから出発したいんです」

「理人と同じだね。
ちょっと待ってね。調べてみるから」

そう言って、パソコンの画面をスクロールしだした。

「うーん。
平日でもいいなら、何日か候補は出せるね。
日曜日は、再来週ならちょうど空いてるんだけどね」

「え‼︎
日曜日が空いている⁉︎」

そんな奇跡的なことがあるの⁇

「うん。ここね、延期になったところなんだよ。
実は授かり婚のカップルでね。
産まれる前に挙げたいって、予約してたんだけど、8ヶ月で、昨日産まれちゃってね。
母子ともに健康だったんだけど、
延期にせざるを得なくなったんだ」
< 187 / 215 >

この作品をシェア

pagetop