腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
私達は思わず顔を見合わせた。
2週間後なら、私は有休消化に入っている。
賢人は……多分かなり忙しい。
でも、事情を話せばなんとかなるかも。

「け、賢人!」

「あ、ああ!
川崎さん、とりあえずそこ押さえます。
すぐに家族に相談しますので……」

「あぁ。もちろん大丈夫だよ。
神の思し召しかもしれないね。
これで皆さんの予定が合えば、素晴らしい」

私は早速母に電話をした。
こういう時は母だ。
おそらく、母以上に頼りになる人はいないだろう。

「お母さん?
今、大聖堂にいるの」

『結婚式の予約?』

「うん。
賢人がどうしてもって言うから。
それがね?
再来週の日曜日、空きが出たらしいの」

『えぇ! この時期に?』

12月の最初の日曜日だもんね。
すぐに取れるなんて、あり得ない日だ。

「授かり婚カップルが、式を挙げる予定だったみたいなんだけど、早産で延期になったらしいのよ」

『……わかったわ。
なんとかする。
そこを押さえなさい。
今から真理子に連絡するから。
一旦切るわね?』

母親同士が同級生って、ホント有り難い。
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