腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
振り返って声をかけてきたのは、理人くんその人だった。

横にいる女性は、もちろん六車凛子さん。
私が覚えているよりもずっと綺麗で、大人っぽくなっていた。
もうすっかり社会人だものね。
メイクも綺麗にされていて、洗練された女性だった。

理人くんも、すっかり大人の男性だ。
スーツ姿が素敵で、堂々としている。
記憶の中にあった理人くんより、かなり賢人と似ている様に感じた。

「理人くん、ご無沙汰しています。
今日は……挙式の申し込みですか?」

「あぁ。そうなんだ。
今申し込んだところ。
本当は、かなり待たないといけないみたいなんだけど、なんとか来月空いているところを押さえさせてもらったんだ。
うちのチャペル、空いていなくてね」

「来月⁉︎
……急なんですね」
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