腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
実際のところ……。
もちろん彼は弟ではない。
ただの幼馴染でもない。
その証拠に、昨日の夜は散々啼かされた。

でも、恋人というわけでもないんだ。
セフレ……が1番近いんだけど、こんな風に泊まって朝ご飯を一緒に食べるくらいには近い存在。
セフレ以上恋人未満、ってとこかな？

身体を重ねる関係になって、かれこれ7年。
その間恋人も作らず、結婚願望も皆無の私には、賢人が唯一の存在なんだけど、愛し合ってるわけじゃない。

詳しく聞いた事はないけど、その間、賢人には恋人もいたはず。7年は長いもんね。

ひょっとしたら、今もこことは別の部屋に通うところがあるかもしれない。
フフフ…まるで平安時代の殿方みたいだけど。

さすがに耳にしたら不快な気分になるだろうから、一切聞かないけどね。

でも、束縛するつもりはない。
恋人を作らないのも、結婚願望が無いのも、私自身の問題であって、賢人にはちゃんと幸せになってほしいから。

賢人に大切な女性が出来たら、寂しいだろうけど、祝福してあげないとね。
< 6 / 215 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop