腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「えぇっ! ないでしょ。
それあり得ない!」

「うん。
周りは皆んな付き合っていると思ってたし、藤田先生も婚約者だと思ってたんだけどね。
でも、照れがあって、
『好きだ。付き合ってくれ。』って言葉がなかなかいえなかったんだって、藤田先生。
『愛してる』も、聞いたことなかったんだって。
やる事やってるのに。
だから結衣子先生、自分は長い間セフレだと思ってたそうなの」

「……」

「ねぇ、お姉ちゃんも同じじゃない?
その人が照れ屋さんなだけで」

それは……違うだろう。
だって、元々は天使の姉なんだもの。
代理だ。
私を好きになったわけじゃない。
そこはメグ本人に言えないけど。

「んー、結衣子先生のお話とは、ちょっと違うと思う。
そもそも、お2人は一緒に出かけたり、デートらしいこともされてたんでしょう?
だって、お父さんとお母さんが若い時は4人で旅行に行ったりしたって、聞いたことあるもん。
私達、そういうのはないの。
それに、未だかつて『好き』なんて言葉、聞いたことないわ」

「……お姉ちゃんが気付いてないだけじゃない?」

「え、そこまで鈍くないよー」

失礼だなぁ。

メグ、まだ考え込んでるな。
おかわり作ろう〜

なんか変な話題になっちゃったなぁ。
でも、メグとの会話は楽しい。
うちの家族独特のポンポンと言葉のキャッチボールするようなテンポなんだよね。
一人暮らしの寂しさはそこだな。
やっぱり、もう少し実家に帰る頻度増やそう!

あーこの焼酎も美味い!








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