私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「ああ。まだ自覚してないんですね。まあ、いいでしょう。じっくりといくのも一興ですし」
「え?ちょっと……一体何を言っているの?」
私だけ置いてけぼりを食った感じ。
「ほらボーッとしてると遅刻しますよ。まずは着替え」
尊に急かされ、結局うやむやになる。
着替えて茶室に向かうと、またもや隼人と琥珀くんがちょこんと正座していて入るのを躊躇った。
隼人が来てから、毎日こんな感じ。
ふたりがいるといろいろ騒ぎ出して余計に集中できない。
「では、今日は隼人に亭主をやってもらいましょうか」
尊が隼人に目を向けると、隼人は意外そうな顔をしつつもノリノリの態度で引き受ける。
「俺?いいよ」
きっと作法の「さ」の字も知らず雑にやるだろうと思っていたのだが、彼のお手前は茶道の先生くらい見事だった。
動きに無駄がなく、出されたお茶も綺麗に泡立っていて……。
普段チャラチャラしてても彼はやっぱり風磨家の跡取りなんだなあ。
やろうと思えば、ちゃんと出来るのだ。
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