私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
治せないということはそれだけ相手の力が強いということ。
敵を倒さなければこの痣は消えないだろう。
そんなことを考えながら彼女に夜着を着せて寝かせる。
「休んでいてください。夕飯の時間になったら声をかけますから」
「……うん」
撫子は小さく頷いて目を閉じる。
彼女のそばにしばらくついていたら、控え目なノックの音がした。
「はい」と返事をすると、秋さんが入ってきた。
「隼人くんに聞きました。撫子が学校で怪我をしたって」
「ええ。私の結界が全く役に立ちませんでした。傷は治療しましたが、痣が少し残って……。それだけ強力な妖が現れたということでしょう。恐らく赤鬼の一角」
秋さんに鬼のことを話しながら、痣がまだ残っている彼女の手を取った。
「隼人くんの話だと湖の封印が破られたそうですね。一度確認しておいた方がいいかもしれないな」
顎に手を当てて考えながら言う秋さんの話に深く頷く。
< 130 / 241 >

この作品をシェア

pagetop