私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
赤鬼の一角のことを調べておいた方がいいだろう。
「私と隼人で見に行ってきます。鬼が自分で封印を解いたのか、それとも違う原因によるものか知っておきたい」
「僕たちの敵は妖だけじゃないですからね。父の話ではあちらもなにか不穏な動きをしているそうです。こちらに直接は仕掛けてはこないですが」
慎重になっているのだろう。
あいつらは俺の力を知っている。
「それが不気味ですけど。でも、風磨家が味方でよかったですよ」
「水瀬家だけで対抗するのは難しい。尊さまは……本当に戻らなくていいんですか?」
躊躇いがちに尋ねる彼の質問に笑って答えた。
「撫子に会わなければ、私は今生きていなかったでしょう。彼女のためだけに生きます」
自分の選択を後悔したことはない。
「そうですか。僕はあなたの意思を尊重します」
秋さんが俺の目を真っ直ぐに見る。
撫子と出会ったのも、他の水瀬家の人たちに出会ったのも、運命だったんだと思う。
「ありがとう」
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