私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「うげっ、何これ!」
腕に絡みつくツタを見て隼人がギョッとして大きく仰け反った。
「ボーッとするな!」
ネクタイを剣に変え、俺や彼に絡むツタをぶった斬った。
「悪い。なんせ妖の世界に行くのって初めてだからさ」
隼人は体勢を立て直し、次に現れた大きなカブト虫の大群を風を操って吹き飛ばす。
「でも、ちょっと慣れたわ」
ニヤッとする隼人。
適応能力は人一倍高い。
「ほら、余裕ぶってると、雑魚妖怪にやられるぞ」
俺は目の前に飛んできたカマキリを息をふきかけて凍らせた。
雑魚妖怪の相手をどれだけしただろう。
五時間、いや六時間?
人間の世界のように太陽がないから時間の間隔がわからない。
雑魚といえども、術を使えば体力を消耗する。
俺も隼人も息が上がっていた。
「赤鬼さんのお城はまだあ?」
隼人が背後から襲ってきた鳥を風で遠ざけながら琥珀に尋ねる。
「もう少しだよ」
琥珀の言葉通り、目の前に赤黒く燃え上がる岩の城が見えてきた。
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