私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
俺が使える水の術は全て是清さんから学んだもの。
他の術は自分の目で見て会得した。
どこからともなく水が湧き出して岩の壁を一気に破壊する。
それを見た隼人と琥珀が「すげ〜!」と歓声を上げるが、岩の壁の向こうは沼のように大きなマグマ風呂だった。
真っ赤なマグマがぐつぐつと音を立てていて、そのマグマの中から鬼が生まれて風呂から這い上がってくる。
「隼人、このマグマ風呂が赤鬼の製造機みたいだぞ」
俺がその話を振ると隼人は引きつった笑いを浮かべた。
「……近づきたくないなあ。落ちたら溶ける」
「おいらも隼人に賛成」
珍しく琥珀が隼人の意見に賛成する。
「そう言ってるとマグマ風呂に落とされるぞ」
琥珀と隼人を注意しながら鬼を倒すが、さすがに疲れが出て来て息が上がる。
隼人も琥珀もヘトヘトといった様子だ。
倒しても倒しても鬼は減らない。
やはり元を絶たないとダメなのだろう。
これからの煌と対戦することを考えると体力を温存しておきたいが、このままではみんなマグマ風呂に落とされれてしまう。
< 194 / 241 >

この作品をシェア

pagetop