私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
絶対に死なないで。
もう祈ることしか出来ないけど……。
体内の血が減ったせいか息が苦しい。
でも、まだ意識があるということは、煌も吸う量を加減したのだろうか。
紅羅に吸われた時は何も考えられなくなってそのまま意識を失ってた。
首筋の痛みを堪えながら何度もゆっくりと息を吸っていると、周囲が騒がしくなった。
きっと尊たちが近くに来たに違いない。
「よくここまで来たな。褒めてやろう。だが、もうすぐお前たちは死ぬ」
煌は私を裏切って尊たちを殺す気だ。
でも、その展開を予想してなかったわけじゃない。
私の真の目的は尊に石を渡すこと。
煌の声で顔を上げると、尊たちの気配がする方へ目をやった。
「ダメ!ここに来ちゃダメ〜!」
必死に叫ぶと同時に、煌のつけた牙の痕から血が噴き出す。
尊は私を見て表情を変え、駆け寄ろうとしたが、紅玉
くんが、いち早く私の口を塞いで声を潜めた。
「黙って。叫ぶと大量出血で死にます」
「でも……」
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