私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
ああ〜、神さま、お願いです。
私はどうなってもいいから尊たちを守ってください。
「さあ、さっさと吸いなさいよ」
着物の襟元を緩めて煌に首筋を見せると、彼は私に近づき身を屈めた。
「いい度胸をしている」
楽しげに笑って煌は顔を近づけて、私の首筋に牙を立てた。
ズキッという音がして血が吸われていくのがわかる。
「ああ〜!」
その恐怖と痛みに思わず声を上げる。
「こんなにうまい血は初めてだ」
フッと笑みを浮かべる煌に勇気を振り絞って言った。
「約束は……ちゃんと守ってよ」
「気丈な娘だ。すぐに殺すのは惜しい。しばらくは生かしておいてやろう」
煌が私の頬を撫でてきたのでビクッとした。
だが、もうその手を振り払う力もない。
血を吸われ、意識が朦朧としてきた。
せっかく紅玉くんにパンケーキをもらって少し元気になったのに、これでまた動けない。
でも、後悔はしていない。
尊たちが助かるならなんだってする。
映像に映るみんなを見て祈る。
< 209 / 241 >

この作品をシェア

pagetop