私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
私が六歳。
夢と同じじゃないの。
「それって……裏山で?」
夢で見たのは実際にあった出来事だった?
「ああ。記憶がないと思ったが、思い出したのか?」
尊に聞かれ、小さく頭を振る。
「ううん。夢で何度も見たの。煌と戦った時の尊みたいに夢に出てくるお兄ちゃんは炎に包まれていて……。あのお兄ちゃんは尊だったんだ」
顔も似ているもの。
あの時、私と尊は出会ったんだ。
まるで霧が晴れていくかのように頭がスッキリする。
もっとあの時のことを聞きたかったし、石のネックレスのこともあって尊のお父さんのことも確認したかったが、彼が話題を変えた。
「その話は今はいい。俺が出した宿題、覚えているか?」
「宿題……」
そう呟いて考える。
確か尊が私を女として見ているかって……。
恋愛対象としての意味も含まれていたように思う。
キス程度なら冗談でもやるかもしれないけど、蘇りの術は相手を好きじゃないと出来ない。
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