私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「あなたが一人前の淑女になったら改めて求婚しますよ」
求婚?
聞き間違いではないわよね?
「それって……プロポーズ?」
尊に聞き返したその時、ドアがバタンと大きく開いて、隼人が現れた。
「大変だ、尊!」
結界を警戒してか隼人はドアの前で立ち止まって叫んだ。
「どうしたんですか、血相を変えて。風磨の家に帰らなくていいんですか?」
尊が面倒くさそうに相手をするが、隼人は真面目な顔で報告する。
「あの宿で襲ってきた不知火の奴らを俺の式神につけさせたんだ。そしたら、山の封印の方に向かったって連絡が来た」
「それはマズいですね」
隼人の言葉に尊は瞳を翳らせる。
「どうする尊?」
隼人が指示を仰ぐと、尊はどこか遠くを見据えて言った。
「封印を解かれるのはなんとしても阻止しなくては。
山の封印のある邪愁岳へ行きますよ。琥珀にも声をかけてください」
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