私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「寝てだいぶ回復したかも」
起き上がって、乱れた髪をかき上げながら答える。
もう怠くはない。
「では、早速治療といきましょう」
彼がベッドの端に腰掛け、私の首の傷に触れ、顔を近づけて来た。
「え?ちょっ……み、尊!」
思わずのけぞる私の頭をガシッと掴んで彼が私の首筋に口付ける。
温かいその唇に身体の力が抜けた。
トクンと大きく高鳴る心臓。
赤鬼に血を吸われた時とは違う衝撃を受け、首がじわじわと熱くなる。
これは……何?
「み、尊……突然何を?」
激しく狼狽えながら問うも、彼に「黙って」と冷たく言われ、そのまま固まる。
「うーん、もうちょっとですかね」
私の首の傷をまじまじと見つめてそんな言葉を呟く彼にもう一度尋ねた。
「尊、今のは何なの?」
「何って治療だと申し上げたでしょう?」
「首にキスするののどこが治療なのよ。このエロじじい!」
「失礼な。傷が少し治っているのがわかりませんか?」
彼に言われ、首の傷にそっと触れる。
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