私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「食い意地がはってると言いたいんでしょう?」
魚を咥えたまま執事に目を向けたら、彼はそんな私をからかった。
「よくわかっているではありませんか。いつ淑女になるのやら」
「そのうちなるわよ」
ムキになって言い返す私に琥珀くんが嬉しい言葉を投げる。
「淑女ってよくわかんないけど、姉ちゃんは綺麗だよ」
「あら、琥珀くんわかってるじゃない」
ちょっと照れながらも喜ぶ私に尊が茶々を入れてきて……。
「本気にしない方がよろしいかと。琥珀は今お酒を飲んでますから」
尊の言葉を聞いて琥珀くんに目を向ければ、頬が赤くなって目が据わっている。
「よ、酔ってるから本音を言ってるのよ」
私の解釈に尊は異議を唱えた。
「自分で言ってて悲しくなりませんか?」
「……真顔で言わないでよ。落ち込むじゃないの」
どうせ私は春乃のような完璧なお嬢さまではありませんよ。
いじける私を彼は口元に笑みを浮かべながら慰める。
「冗談です。私がお育てしたんですから、お嬢さまはそこそこイケてますよ」
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