私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「いや、全然褒めてなーい。琥珀くん、私にもお酒ちょうだーい!」
酔っ払っている琥珀くんに頼むが、「姉ちゃんも五百歳になったらな〜」とケラケラ笑うだけ。
五百年も生きられないよ。
「あ〜、私も早く大人になりた〜い」
やさぐれる私に尊は白い湯飲みを手渡す。
「今を楽しんでください」
甘酒かと思って湯飲みを見たら違った。
綺麗な桜の花びらが湯飲みに浮かんでいる。
「これ……」
じっと湯飲みを見つめる私に尊は穏やかな声で説明する。
「桜茶ですよ。綺麗でしょう?お酒が飲めなくても、楽しむものはいっぱいあります」
お茶を飲むと、ほのかに甘い香りがした。
これも彼が私のために用意したんだろうな。
「美味しい。尊、ありがと」
ハニカミながら礼を言うと、彼は目を細めて微笑んだ。
「どういたしまして」
その後、夕食を終えると、屋敷の一階の奥にある浴場に向かう。
内風呂と露天風呂のふたつがあり、お湯は温泉。
浴場の前まで尊と琥珀くんがついてきた。
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