私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
恐らく撫子の結界に弾かれて吹き飛んだのだろう。
「撫子お嬢さま、大丈夫ですか?」
駆け寄ってその華奢な身体を抱きしめると、彼女は気が動転した様子で俺の胸に手を当てた。
「大丈夫。でも、侵入者がいて……私の身体が光って……何なの?」
撫子には結界のことは秘密にしていた。
言えば、「そんなの必要ない」とか文句を言うに決まっているから。
しかし、もうこの状況では隠せない。
「この男は風磨家当主の次男の風磨隼人です。あなたの身体が光ったのは結界のせいですよ。あなたが襲われそうになったら発動するようになってます」
正直に打ち明けると、彼女は顔を上げて俺を見た。
「……いつの間に結界なんて」
「撫子お嬢さまが雀を助けた時からですよ。それから面倒な輩を呼び寄せるようになったので」
是清さんの話では彼女が治癒の術を使えるようになったのは五歳の頃だったらしい。
元気なのに突然原因不明の病で寝込むことがあって、彼が調べたら治癒の術が原因だった。
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