HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
彼はニヤッと不敵な笑みを湛え、両手で腰許を掴んで、そのまま勢い良く、唇を奪う。
無防備になった彼は私を放っておかなかった。獣の前で油断を見せてしまうなんて、食べてくれと言ってるようなもの。

私は心の隙間を上手く突かれて、彼にキスを許してしまった。

私は彼のキスに酔いそうになりながらも、心の隙を突かれたのを恥ずかしく思って慌ててバリケードを張り巡らし、思いっきり頬に平手打ちした。

「・・・葵の怒りは尤もだな…」

充斗は私に叩かれた拍子に唇を離して、紅くなった頬を押さえた。

「・・・葵も人妻だし…これは再会のキスだ…そう思っておいてくれ…」

充斗は挨拶のキスだと言い切り、椅子に腰を下ろす。

「君も座れよ、葵」


私は黙って腰を下ろした。

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