HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
『東亜医科大付属病院』
『ジュテーム』の顧問弁護士・設楽宗助さんは脳溢血で倒れ、入院していた。幸いはあの四宮先生のおかげで手術は成功。
脳には後遺症はなく、右腕の麻痺だけで済んだらしい。

階は違えど、父さんと同じVIP病棟に入院していた。

病室に行くと、誰かが出て来た。
長身で見るからに上等なブランド物の紺のスーツに身を包んだ若い男が出て来た。


「久保瓜生(クボウリョウ)!!?」

「葵さんのお兄さん??」
俺と柏原が同時に声を上げた。
彼は葵の兄貴。
葵に似て、整った顔立ちで、常に切れ長の瞳は鋭く、職業柄からか嫌味な口調でいけ好かない男。

「久しぶりだな…宇佐美充斗さん」

「…設楽弁護士の事務所で働いてるのか…お前」

「…そうですけど…」

久保瓜生…葵の五歳年上の兄。四年前、俺と葵の交際を反対した男で、職業は弁護士。
四年前は民事を専門に扱う弁護士だったはずだが、企業法務担当の弁護士になったようだ。




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