HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
「社長、コーヒーです…」

「遅いぞ…柏原」

「すいません…社長」

柏原が給湯室からコーヒーを持って来たのはクッキーを食べ終わった後だった。

「クッキー全部食べたんですね…」

「あぁ~コーヒーはデスクにおいてくれ」

「分かりました」

俺はハンカチと葵のメッセージメモを持ってソファから腰を上げた。

「俺と葵が結婚しても…葵は多分幸せになれなかったかもしれないな」

「社長?」

父が俺と葵の障壁となり、俺達が極秘挙式を遂行していたら、俺は『フロンティア』を追われ、宇佐美家からは絶縁されたと思う。

「俺は全てを失い…二人で路頭に迷っていたかもしれない。
そう言う気がする…だから、神様はあえて…俺達の引き離したんだ。
今の彼女は本当に幸せそうに見える…親子三人…上手くいってんだろうな…」

「社…長」


< 62 / 171 >

この作品をシェア

pagetop