HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
「従兄?」

「…はい…葵さんの苗字が変わったのは…葵さんの母親が離婚して、離婚の際に彼女も姓を母親の姓。水瀬に変更したんです」

「えっ?じゃ…葵は一度も結婚してないのか?」

「はい…」

「…でも・・・葵には子供が…四歳になる娘が…」

「…その娘の莉緒ちゃんは…社長貴方の子供です!」


人は大きな衝撃を受けると言葉を失うと言うが、俺も驚き過ぎて、言葉が出なかった。

「周防家の見合いの障害になっていけないと社長には事実を隠しました。
心よりお詫び申し上げます…」
目の前では柏原が土下座して俺に謝る。

――――何と言えば良いのか分からない。

俺は唯々衝撃の真実に狼狽する。
何も言わない俺を気にして、柏原が頭を上げた。

「社長?」

「・・・これって…一ノ瀬社長と同じ…」

俺の知らない間に自分の血を分けた子供がこの世に産まれていた…シークレットベビーと言うヤツか・・・


「莉緒ちゃんは社長のシークレットベビーです…」

ベビーと言っても…もう赤ちゃんじゃない…四歳の幼児。
匠君と咲ちゃんと同じ。
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