HONEYBEE(2)～ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル～

俺は真実の重さに耐え切れず、壁に寄りかかる。
『類は友を呼ぶ』と言うが、一ノ瀬社長と同じで自分の知らぬ間に子供が居たなんて、そんなコトが現実にあり得るんだな。
何と恐ろしい。

「社長？」

柏原は俺の不可解な態度に首を傾げた。

「…すまない…少し待っててくれ…急なコトで…俺のキモチに整理が付かないんだ…」

「それはごもっともだと思います…私も何度真実をお話しようかと考えたコトか…」

「…なら、どうして…話してくれなかったんだ！！」

「それは…周防家との…」

俺と周防美穂さんの見合いは宇佐美家の繁栄が掛かる大切な見合い。

でも、俺は真実を知ってしまった。

葵が言うあの欺かれた愛の中に俺と彼女の絆がこの世に誕生していた。

「見合いは断る…」

俺は踵を返す。

「何処に行くんですか?社長」

「葵に会って…直接確かめる…俺には葵しか居ない！！お前も来いっ！！柏原」