HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
「充斗…テレビ電話じゃないから…」

「そ、そっか…顔は見えないのか…」
充斗は軽く息を吐いて安堵した。
「いきなり…パパの話をしたら…莉緒も困るし…まずはママのお友達のおじちゃんから入らないと」

「おじちゃんって・・・俺はそんな歳じゃないぞ…お兄ちゃんにしてくれ」

「わがままね…」

私は母のスマホに『LINE』電話をした。

「もしもし・・・お母さん?そこに莉緒居る??」

―――莉緒ちゃん…ママから電話…

スピーカーで充斗にも聞こえるようにした。


―――りおだけど・・・まま、しごと?


莉緒の声を訊いた充斗はそば耳を立てていた。
その表情は感動に満ちていた。
「うん、まぁ・・・仕事の関係の人と食事してると言うか…」

―――ふうん。りおわね・・・ごはんたべたよ・・・ママ。でね…『キュアリン』みてたの

「そっか…そうだ・・・パパって言って…莉緒


―――いいけど…パパ…パパがどうしたの?


「ううん…いい…じゃバイバイ」

―――うん…バイバイ

感動し過ぎて今にも泣きそうな充斗。

電話が切れた後、鼻を啜りながら泣いていた。

「泣かなくても…いいのに…充斗」

「・・・これを…泣かずにいられるか…葵」
嗚咽を混じらせ反論しながら、ハンカチで涙を拭いた。
莉緒にパパと言わせただけで号泣するなんて。
「私は言ってって頼んだから言っただけよ。莉緒だってキモチ込めてないわよ…」

「呼ばれた事実が嬉しいんだ…」

反応まで、一ノ瀬社長と同じ。

「真実を知れば、勝手に産んだ私を責めると思ったから…こうして莉緒の存在を受け入れてくれて嬉しいわ。充斗」

「責めるなんて…俺はそんなコトはしない。愛する葵と俺の子だ…」

泣きすぎて、ウサギの目のように赤く充血していた。

「充斗、目がウサギなってるわよ…」

「んっ?あ・・・感動し過ぎた…悪い…御手洗いに行って来る」










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