HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
四宮先生は隣の洗面で手を洗う。
長身で細身のスタイルの四宮先生。顔立ちも整い、涼しげで聡明な双眼。
伊集院千歳院長からは絶大な期待と信頼を寄せられた脳神経外科のエース。次期、准教授の椅子に座ると言われているらしい。

「父の容体はどうですか?変わりありませんか?」
「えぇー・・・それよりも・・・ウチの麻酔科医の周防先生とお見合いするんですね…眞白さんから訊きました」

「あ…そうですか…」
眞白のヤツ、俺の知らない処で、余計なことを言いやがる。
眞白…宇佐美眞白(ウサミマシロ)
父親は『フロンティアメディカル』の代表取締役。
彼女自身は営業担当の仕事に就いていた。
「じゃ私はこれで…」

「はい。また近々…父の元に足を運びます…」


< 98 / 171 >

この作品をシェア

pagetop