耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
突然のことに驚いた美寧が目を丸くした一拍後。
唇に柔らかな感触が押し当てられた。
「ん、………」
しっとりと重ね合わせた唇。触れ合わせているだけなのに、そこからじわりと熱が伝わる。
美寧はまぶたをゆっくりと下ろした。
重ね合わせるだけの穏やかで優しい口づけに、うっとりと酔いしれる。鼓動がどきどきと忙しなくなり、胸の奥がきゅんと甘く疼く。
力が抜け自然と開いた美寧の唇を優しく食んだ怜の唇は、軽く音を立てた後ゆっくりと離れて行った。
唇に感じていた温もりがなくなり、美寧の胸がなぜか切なく締め付けられる。
思わず怜の胸にぎゅっとしがみ付いた。
「ミネ?」
怜の伺う様子が伝わってくる。
美寧は思い切って口を開く。ここ数日密かに気になっていたことがあるのだ。
今のような唇を触れ合わせるだけの“挨拶のキス”は変わらずしている。けれどもうしばらく“特別なキス”をしていなかった。
“あのキス”をすると、美寧は怜にとっての“特別”なのだと思える。
恥ずかしくないわけではないけれど、それ以上に怜が美寧のことを想う気持ちがダイレクトに流れ込んで来て、胸が高鳴る。恥ずかしさよりも嬉しさの方が上回る。
自分が怜にとって”特別な女性”になったのだと思えて、言葉に出来ないくらいの幸福感が胸を満たすのだ。
「なんで……なんで前と違うの?」
「え、『前』とは?」
「キ、キス……前みたいなのは……もうしないの?」
怜が小さく息を飲む音が聞こえた。けれど美寧は、怜の胸にしがみ付いたまま必死に言葉を続けた。
「私が、いつまでも上手にならないから……だから前みたいにしてくれなくなった?」
「それは……」
次の言葉が見つからないのか、怜は再び口を閉じてしまう。
美寧の胸の中で小さな悲しみが、じわじわと滲んでいく。その滲みは美寧の瞼を熱くし瞳を潤ませた。
喉の奥からせり上がる熱い塊をぐっと飲み込んで、美寧は口を開く。
「それとも……私があんまりこどもっぽいからがっかりし、」
「そんなことっ、———あるわけない」
美寧の言葉を怜の言葉がさえぎった。
唇に柔らかな感触が押し当てられた。
「ん、………」
しっとりと重ね合わせた唇。触れ合わせているだけなのに、そこからじわりと熱が伝わる。
美寧はまぶたをゆっくりと下ろした。
重ね合わせるだけの穏やかで優しい口づけに、うっとりと酔いしれる。鼓動がどきどきと忙しなくなり、胸の奥がきゅんと甘く疼く。
力が抜け自然と開いた美寧の唇を優しく食んだ怜の唇は、軽く音を立てた後ゆっくりと離れて行った。
唇に感じていた温もりがなくなり、美寧の胸がなぜか切なく締め付けられる。
思わず怜の胸にぎゅっとしがみ付いた。
「ミネ?」
怜の伺う様子が伝わってくる。
美寧は思い切って口を開く。ここ数日密かに気になっていたことがあるのだ。
今のような唇を触れ合わせるだけの“挨拶のキス”は変わらずしている。けれどもうしばらく“特別なキス”をしていなかった。
“あのキス”をすると、美寧は怜にとっての“特別”なのだと思える。
恥ずかしくないわけではないけれど、それ以上に怜が美寧のことを想う気持ちがダイレクトに流れ込んで来て、胸が高鳴る。恥ずかしさよりも嬉しさの方が上回る。
自分が怜にとって”特別な女性”になったのだと思えて、言葉に出来ないくらいの幸福感が胸を満たすのだ。
「なんで……なんで前と違うの?」
「え、『前』とは?」
「キ、キス……前みたいなのは……もうしないの?」
怜が小さく息を飲む音が聞こえた。けれど美寧は、怜の胸にしがみ付いたまま必死に言葉を続けた。
「私が、いつまでも上手にならないから……だから前みたいにしてくれなくなった?」
「それは……」
次の言葉が見つからないのか、怜は再び口を閉じてしまう。
美寧の胸の中で小さな悲しみが、じわじわと滲んでいく。その滲みは美寧の瞼を熱くし瞳を潤ませた。
喉の奥からせり上がる熱い塊をぐっと飲み込んで、美寧は口を開く。
「それとも……私があんまりこどもっぽいからがっかりし、」
「そんなことっ、———あるわけない」
美寧の言葉を怜の言葉がさえぎった。