耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
「ふふ……うふふふっ……」
可笑しくも可愛らしい主従二人の姿に、美寧の口から笑い声がこぼれ出す。
くすくすと笑い出した美寧につられて、杏奈も笑う。
二人でひとしきり笑い合った後、目尻に溜まった涙を指先で軽く拭った杏奈がもう一度美寧を見た。
「もしよかったら、『美寧ちゃん』って呼んでもいいかな?」
「はい!もちろんです!」
「敬語もいらないよ?あ、私のことも『杏ちゃん』って呼んでくれたら嬉しい!」
「杏ちゃん……」
「うんうん!うわ~~、可愛い妹が出来たみたい!すっごく嬉しい!」
「妹?」
「うん。ヒロ君もお母さんも、美寧ちゃんのこと、本当の娘みたいに可愛がってるもんね」
「………」
「美寧ちゃんさえ良かったら、今だけ『お姉ちゃん』だと思ってお喋りしてくれない?」
「お姉ちゃん……」
「うん、そう!嫁に行った姉!普段はあんまり帰って来ないけど、久々に会った妹をかまいたくて仕方ないの!……だめかな?ちょっと厚かましすぎるお願いかな?」
「そんなこと、ないです……私、兄はいるけど、姉はいなくて……」
「そうなんだ…美寧ちゃんのお兄さんならきっと優しくて頼りになんだろうなぁ」
「はい……兄は、六つ上で、すごく優しくて……でも今はお仕事で海外に行っているんです」
「そっかぁ……会えなくて寂しいね」
「はい………」
「私、お兄さんの代わりにはなれないけど、姉だと思ってなんでも話してくれて大丈夫だよ」
「………」
前にマスターが娘は二十五歳だと言っていた。ということは、美寧の四つ上。六歳上の兄の下にもう一人姉がいたらこんな風なのだろうか。
(そういえば、年が近い女の人と話したことって無かったかも……)
涼香もいるが、彼女は怜と同い年なので少し年が離れている。彼女は『姉』と言うよりは『憧れの女性』という感覚。それに少しだけ『母親』が混じる。
「あのっ……」
思い切って口を開いた美寧に、杏奈が瞳を輝かせる。初めて出来た『妹分』が嬉しくて仕方ないようだ。
「“恋人の練習”って……何をしたらいいんでしょうか?」
「………え、」
「私……恋人がする“練習”がどんなものか分からなくて………」
杏奈は笑顔のまま固まった。口を閉じることすら忘れている。
「今まで誰にも教えて貰ったことなくって……もし、知っていたら教えて欲しいんです!」
「えっと……」
思いつめたような顔でそう言った美寧に、杏奈はなんて言ったら良いのか言葉を探す。
すると、更にずいっと前のめりになった美寧が言った。
「お願いっ……杏ちゃん!」
「うぐっ」と何かに詰まったように喉を鳴らした杏奈。
でもそれから瞳を閉じると、大きく息を吸って吐いた後瞼を持ち上げる。その瞳には覚悟を決めたような強い光があった。
「分かった!なんでも聞いて!!私で分かることなら何でも教えちゃうから!」
胸の前で握りしめたこぶしで胸を軽く叩いて、「お姉ちゃんに任せなさい!」と言った。
可笑しくも可愛らしい主従二人の姿に、美寧の口から笑い声がこぼれ出す。
くすくすと笑い出した美寧につられて、杏奈も笑う。
二人でひとしきり笑い合った後、目尻に溜まった涙を指先で軽く拭った杏奈がもう一度美寧を見た。
「もしよかったら、『美寧ちゃん』って呼んでもいいかな?」
「はい!もちろんです!」
「敬語もいらないよ?あ、私のことも『杏ちゃん』って呼んでくれたら嬉しい!」
「杏ちゃん……」
「うんうん!うわ~~、可愛い妹が出来たみたい!すっごく嬉しい!」
「妹?」
「うん。ヒロ君もお母さんも、美寧ちゃんのこと、本当の娘みたいに可愛がってるもんね」
「………」
「美寧ちゃんさえ良かったら、今だけ『お姉ちゃん』だと思ってお喋りしてくれない?」
「お姉ちゃん……」
「うん、そう!嫁に行った姉!普段はあんまり帰って来ないけど、久々に会った妹をかまいたくて仕方ないの!……だめかな?ちょっと厚かましすぎるお願いかな?」
「そんなこと、ないです……私、兄はいるけど、姉はいなくて……」
「そうなんだ…美寧ちゃんのお兄さんならきっと優しくて頼りになんだろうなぁ」
「はい……兄は、六つ上で、すごく優しくて……でも今はお仕事で海外に行っているんです」
「そっかぁ……会えなくて寂しいね」
「はい………」
「私、お兄さんの代わりにはなれないけど、姉だと思ってなんでも話してくれて大丈夫だよ」
「………」
前にマスターが娘は二十五歳だと言っていた。ということは、美寧の四つ上。六歳上の兄の下にもう一人姉がいたらこんな風なのだろうか。
(そういえば、年が近い女の人と話したことって無かったかも……)
涼香もいるが、彼女は怜と同い年なので少し年が離れている。彼女は『姉』と言うよりは『憧れの女性』という感覚。それに少しだけ『母親』が混じる。
「あのっ……」
思い切って口を開いた美寧に、杏奈が瞳を輝かせる。初めて出来た『妹分』が嬉しくて仕方ないようだ。
「“恋人の練習”って……何をしたらいいんでしょうか?」
「………え、」
「私……恋人がする“練習”がどんなものか分からなくて………」
杏奈は笑顔のまま固まった。口を閉じることすら忘れている。
「今まで誰にも教えて貰ったことなくって……もし、知っていたら教えて欲しいんです!」
「えっと……」
思いつめたような顔でそう言った美寧に、杏奈はなんて言ったら良いのか言葉を探す。
すると、更にずいっと前のめりになった美寧が言った。
「お願いっ……杏ちゃん!」
「うぐっ」と何かに詰まったように喉を鳴らした杏奈。
でもそれから瞳を閉じると、大きく息を吸って吐いた後瞼を持ち上げる。その瞳には覚悟を決めたような強い光があった。
「分かった!なんでも聞いて!!私で分かることなら何でも教えちゃうから!」
胸の前で握りしめたこぶしで胸を軽く叩いて、「お姉ちゃんに任せなさい!」と言った。