耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
「美寧ちゃんは……やっぱり藤波先生のことが好きなの?」
出し抜けに投げられた問いに、美寧は思わず目を見開く。けれどすぐに、しっかりと頷いた。
それを見た颯介がきゅっと眉を寄せる。
「そうな……んだ……でもさ。もう、つらい片想いなんて止めて———」
「ちがうっ、」
「美寧ちゃん……?」
「片想いじゃない。私はれいちゃんの恋人で、……初恋だってちゃんと実るって、」
「先生は君よりずいぶん年上だ……何も分からない美寧ちゃんのことを、自分の都合の良いように言いくるめることなんて簡単だと思う」
「っ、……れいちゃんはそんなことっ、」
「『しない』ってどうして言い切れるの?だって先生は僕が訊いても答えなかったんだよ」
「な、なにを言って……」
「君のことを『どう思っているのか』って———」
さっきよりも大きく目を見開いた美寧。
どくん、と波打った胸を手で押さえると、指先に固いものが触れた。それは、鎖骨の間にある小さな花びら。
———俺の望みはあなたが笑っていることです
美寧の頭に響いた声と同時に、抱きしめてくれたひとの温もりがよみがえる。
動揺が不思議と凪いでいった。
「れいちゃんが、どうして颯介くんの質問に答えなかったか、私には分からない」
「だったら、」
「でも!」
美寧の声が颯介の言葉を遮る。彼女らしからぬ強い口調に、颯介が息を呑んだ。そんな彼に、美寧はハッキリと言った。
「でも———れいちゃんが私のことをどう思ってるかは分かってる。颯介くんに教えてもらわなくても」
「じゃあ、もう先生のことは諦めたら、」
「ううん。違う」
美寧の気持ちが一方通行なのだと頑なに思い込んでいる様子の颯介に、美寧は一度首を左右に振ると、彼の目を見てしっかりとした口調で言った。
「れいちゃんは私のこと、とても大事に想ってくれてる。私はそれを一度も疑ったことなんてない。信じてるの、誰よりも一番に……れいちゃんのこと」
「っ、」
「だから颯介くんも、もう私のことは心配しないで?私は大丈夫だから」
ハッキリとそう言い切った美寧。すると颯介は辛そうに顔を歪め、彼女の強い瞳から目を逸らした。
「………なにが大丈夫なんだよ」
「えっ、」
小さく唸るように言った颯介の言葉が聞き取れず、美寧が訊き返す。すると、彼は美寧から視線を逸らしたまま口を開いた。
出し抜けに投げられた問いに、美寧は思わず目を見開く。けれどすぐに、しっかりと頷いた。
それを見た颯介がきゅっと眉を寄せる。
「そうな……んだ……でもさ。もう、つらい片想いなんて止めて———」
「ちがうっ、」
「美寧ちゃん……?」
「片想いじゃない。私はれいちゃんの恋人で、……初恋だってちゃんと実るって、」
「先生は君よりずいぶん年上だ……何も分からない美寧ちゃんのことを、自分の都合の良いように言いくるめることなんて簡単だと思う」
「っ、……れいちゃんはそんなことっ、」
「『しない』ってどうして言い切れるの?だって先生は僕が訊いても答えなかったんだよ」
「な、なにを言って……」
「君のことを『どう思っているのか』って———」
さっきよりも大きく目を見開いた美寧。
どくん、と波打った胸を手で押さえると、指先に固いものが触れた。それは、鎖骨の間にある小さな花びら。
———俺の望みはあなたが笑っていることです
美寧の頭に響いた声と同時に、抱きしめてくれたひとの温もりがよみがえる。
動揺が不思議と凪いでいった。
「れいちゃんが、どうして颯介くんの質問に答えなかったか、私には分からない」
「だったら、」
「でも!」
美寧の声が颯介の言葉を遮る。彼女らしからぬ強い口調に、颯介が息を呑んだ。そんな彼に、美寧はハッキリと言った。
「でも———れいちゃんが私のことをどう思ってるかは分かってる。颯介くんに教えてもらわなくても」
「じゃあ、もう先生のことは諦めたら、」
「ううん。違う」
美寧の気持ちが一方通行なのだと頑なに思い込んでいる様子の颯介に、美寧は一度首を左右に振ると、彼の目を見てしっかりとした口調で言った。
「れいちゃんは私のこと、とても大事に想ってくれてる。私はそれを一度も疑ったことなんてない。信じてるの、誰よりも一番に……れいちゃんのこと」
「っ、」
「だから颯介くんも、もう私のことは心配しないで?私は大丈夫だから」
ハッキリとそう言い切った美寧。すると颯介は辛そうに顔を歪め、彼女の強い瞳から目を逸らした。
「………なにが大丈夫なんだよ」
「えっ、」
小さく唸るように言った颯介の言葉が聞き取れず、美寧が訊き返す。すると、彼は美寧から視線を逸らしたまま口を開いた。