耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
角度を変えながら幾度もくちづけを交わす。
美寧の頬を覆った左手がどんどん濡れていく。時々その頬を伝う涙を唇で吸い取っては、また唇を重ねる。涙と互いの唾液を混ぜ合わせ、舌を絡ませすり合わせる。
美寧の吐息まじりの嗚咽が、怜の心を熱く震わせる。
涙でしょっぱいはずのくちづけが、甘くてたまらない。
彼女とするキスは、きっといつでもどんな時も例えようがないほど甘くなる。
座っていても小柄な美寧が、背の高い怜に覆い被さるようにくちづけられれば、自然と体が後ろに反り返る。
絶え間なく繰り返される激しいくちづけに力が抜けた美寧が、荒い息をつきながら怜の右腕にくたりと寄りかかる。
怜はそのままゆっくりと彼女の背中をソファーの座面に下ろした。
長い髪がパサリと広がり、山肌を滑る清水のようにか細い肩からソファーの下へと垂れ落ちる。
白磁のような肌はほんのりと桜色に色づき、大きな瞳をとろんとゆるめた美寧が怜を見上げる。
目が合うと、彼女は赤く染まった頬をかすかに持ち上げ、潤んだ瞳を三日月のように細め、微笑んだ。
それはどんな花よりも美しく艶やかで———
これまで見たことがないほど壮絶な色香に満ち溢れた彼女の笑顔に、怜の頭がクラリと揺れる。酩酊に似た眩暈と同時に、胸の底に押さえつけていた蓋が一気に開きかける。
ぐっと奥歯を噛み締め、華奢な肢体から距離を取ろうと上体を引いた時、細い腕が二本、怜の首に回された。
怜が両目を見開く。
「ミ、」
「れいちゃん―――」
怜が美寧の名前を呼ぶよりも、美寧が怜の名前を呼ぶ方が一拍早かった。
そして、目に涙を湛えた彼女は、花がほころぶような笑顔を浮かべ、言った。
「だいすき———」
怜の首に回した腕に力を入れ彼の頭を引き寄せると、美寧は自分から彼の唇にくちづけた。