耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
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その日、二人の愛息子である健(たける)は、祖父母と一緒にお出掛けだという。クリスマスプレゼントを買ってもらう予定で、大喜びで祖父母と一緒に出掛けて行ったらしい。
夫婦水入らずの時間を邪魔して申し訳なく思う美寧に、涼香と航は『このまま今夜はデートするから大丈夫』と言う。

そんな二人に連れられて行ったのは、商店街とは駅を挟んだ反対側。航もよく行くという大型手芸専門店だった。

そこで毛糸や編み棒など必要なものを航に教えてもらいながら買った後、美寧はとある場所(・・・・・)に移動して編み方も教えてもらった。


とある場所(・・・・・)と言うのは———【カフェ ラプワール】、美寧がアルバイトをしている喫茶店だった。

航は美寧に毛糸や道具のアドバイスだけでなく、実際の編み方も教えてくれるという。
どこか近くのカフェにでも入ろうかと話している二人に、美寧が『それなら、せっかくだから』と【カフェ ラプワール】へ二人を案内したのだ。

美寧が日曜日にアルバイトの休みを貰っているだけで、ラプワール自体は営業中。
案の定、お客として訪れた美寧をマスターは喜んで迎えてくれ、久住夫妻もマスターのコーヒーの味をいたく気に入って、涼香は『今度は美寧ちゃんが働いている時に来るわね』と言ってくれた。

ただひとつ。颯介との間には、微妙な気まずさがわだかまっていた。


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