耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
「おまえの結婚相手を決めたのは私ではない」
「え、」
「どういうことなんですか、父さん!」
美寧と聡臣の反応に、父は「やっぱりそうか……」と呟いてから、その答えを口にした。
「美寧の許婚を決めたのは、杵島の義父———おじいさまだ」
「「ええっ!!」」
驚きの声が兄妹で重なった。
ほんの少し上向きの丸い瞳と、優しげな垂れ目。形は違えど、どちらともくっきりとした二重が印象的。
大きく見開かれた二つの双眸を見渡したあと、総一郎は美寧の方を見て言った。
「おまえの許婚は、杵島のおじいさまがお決めになったんだ」
「う、うそ………」
「もしかしたら、とは思っていたが……知らなかったのか?」
驚いた様子で訊いた父に、美寧は大きく頷く。
少しだけ迷ったそぶりをみせた父は、覚悟を決めたように滔々と語り始めた。
ある日突然、総一郎は義父から娘の許婚の話を聞かされた。
『美寧が二十歳になったら、許婚を私の養子に貰って、美寧と結婚させることになっている』———と。
総一郎はすぐさま義父に抗議した。
『ちょっと待ってください、勝手に決めないでください。許嫁や婿養子などと———』
清香が亡くなって以降、ことあるごとに義父から叱責されてきた総一郎だったが、それまでそれに一度も言い返したことはなかった。
義父が自分を責めるのも仕方ない。妻を早くに逝かせてしまったのは自分の責任だ。そう思っていたからだ。
けれど、この時は違った。
父親の自分に何の相談もなく美寧の婚姻のことを事後報告で伝えられた総一郎は、義父に抗議をした。
「え、」
「どういうことなんですか、父さん!」
美寧と聡臣の反応に、父は「やっぱりそうか……」と呟いてから、その答えを口にした。
「美寧の許婚を決めたのは、杵島の義父———おじいさまだ」
「「ええっ!!」」
驚きの声が兄妹で重なった。
ほんの少し上向きの丸い瞳と、優しげな垂れ目。形は違えど、どちらともくっきりとした二重が印象的。
大きく見開かれた二つの双眸を見渡したあと、総一郎は美寧の方を見て言った。
「おまえの許婚は、杵島のおじいさまがお決めになったんだ」
「う、うそ………」
「もしかしたら、とは思っていたが……知らなかったのか?」
驚いた様子で訊いた父に、美寧は大きく頷く。
少しだけ迷ったそぶりをみせた父は、覚悟を決めたように滔々と語り始めた。
ある日突然、総一郎は義父から娘の許婚の話を聞かされた。
『美寧が二十歳になったら、許婚を私の養子に貰って、美寧と結婚させることになっている』———と。
総一郎はすぐさま義父に抗議した。
『ちょっと待ってください、勝手に決めないでください。許嫁や婿養子などと———』
清香が亡くなって以降、ことあるごとに義父から叱責されてきた総一郎だったが、それまでそれに一度も言い返したことはなかった。
義父が自分を責めるのも仕方ない。妻を早くに逝かせてしまったのは自分の責任だ。そう思っていたからだ。
けれど、この時は違った。
父親の自分に何の相談もなく美寧の婚姻のことを事後報告で伝えられた総一郎は、義父に抗議をした。