耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
「れいちゃん!」
「おはようございます、ミネ」
「おはよう。———見て、雪が……」
「とても美しいですね、雪の庭。———でもそんな薄着では風邪を引いてしまいますよ」
「あ、……」
美寧はその時初めて自分が夜着のままだということに気が付いた。ガウンを羽織ってくるのも忘れて部屋を飛び出したのだ。
怜が、自分が着ていた厚手のニットカーデガンを脱ぎ、美寧の肩にかけてくれる。
「これ………」
見覚えのある茶色いカーディガンに目を瞬かせる。
「お借りしたのです。有村さんが『寒いだろうから』と出して下さって」
「これ、私がおじいさまのお誕生日に贈ったものなの」
「そうだったのですか。とても温かくて着心地も良いですね」
怜に褒められて「えへへ」とはにかんだ美寧は、何かに気付いたように部屋を見回した。
「あれ?……そういえば、歌寿子さんは?」
キョロキョロと見回すがその姿はない。
奥の台所にいるのだろうか、と思った時。
「有村さんなら先ほど買い物に出られましたよ」
「そうなの?」
「ええ。急だったので朝食の材料がないから、と」
「あ、そっか………」
歌寿子は近所に自宅があって、いつも通いで来てくれていた。
故に、この家は無人だったのだ。誰も住んでいない家に食料があるわけない。
自分のせいで、歌寿子にも余計な世話をかけてしまった。美寧は自分の衝動的な行動を反省した。
「ミネ。大分体が冷えてます。もう中に入りましょう」と、怜に促された。
「おはようございます、ミネ」
「おはよう。———見て、雪が……」
「とても美しいですね、雪の庭。———でもそんな薄着では風邪を引いてしまいますよ」
「あ、……」
美寧はその時初めて自分が夜着のままだということに気が付いた。ガウンを羽織ってくるのも忘れて部屋を飛び出したのだ。
怜が、自分が着ていた厚手のニットカーデガンを脱ぎ、美寧の肩にかけてくれる。
「これ………」
見覚えのある茶色いカーディガンに目を瞬かせる。
「お借りしたのです。有村さんが『寒いだろうから』と出して下さって」
「これ、私がおじいさまのお誕生日に贈ったものなの」
「そうだったのですか。とても温かくて着心地も良いですね」
怜に褒められて「えへへ」とはにかんだ美寧は、何かに気付いたように部屋を見回した。
「あれ?……そういえば、歌寿子さんは?」
キョロキョロと見回すがその姿はない。
奥の台所にいるのだろうか、と思った時。
「有村さんなら先ほど買い物に出られましたよ」
「そうなの?」
「ええ。急だったので朝食の材料がないから、と」
「あ、そっか………」
歌寿子は近所に自宅があって、いつも通いで来てくれていた。
故に、この家は無人だったのだ。誰も住んでいない家に食料があるわけない。
自分のせいで、歌寿子にも余計な世話をかけてしまった。美寧は自分の衝動的な行動を反省した。
「ミネ。大分体が冷えてます。もう中に入りましょう」と、怜に促された。