耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
[1]
大陸から寒気が流れ込んでくるという予報の通り、一段と冷え込みの強まった冬の朝。
外は木枯らしが吹いているが、二人がいる場所は暖かい。立ちのぼる湯気が、ふんわりと二人を包み込んで温めている。
ピピピピッピピピピッ———
キッチンに電子音が鳴り響いた。
「れいちゃん、時間になったよ?これからどうしたらいいの?」
「コンロから下ろして、流水で一気に冷やしてください」
「分かった!」
「火傷に気を付けてくださいね」
「は~い!」
元気よく返事をした美寧は、コンロの上の片手鍋を両手で慎重に持ち、そのままシンクの中に移動させた。
水道のレバーを上げ、勢いよく音を立てる水の下で鍋の中のお湯を捨てる。そしてそのまま流水を鍋の中にかけた。
「こんなかんじ?」
「はい。熱くなくなったら、殻を剥いてもらって良いですか?」
「は~い!」
美寧は着ているニットの袖が落ちてこないよう、しっかりと肘までまくり上げると、玉子の殻向きに取りかかった。
リネン素材の薄桃色のエプロンは、幅広の共布の紐を腰の前で蝶結びにし、裾が膝上でふんわりと広がるのが可愛らしい。もう何か月も使っているから、すっかり体に馴染んでいる。
そんな美寧の隣に並んで立つ人は、左手に持った包丁を器用に動かしスルスルと大根を桂剥きにしていた。いつもの黒いエプロンを身に着けて、グレーのニットの袖をまくっている。
ゆで玉子の殻剥きに格闘し始めた美寧は、隣から見つめる怜の口元がゆるんでいることには気付かない。
大陸から寒気が流れ込んでくるという予報の通り、一段と冷え込みの強まった冬の朝。
外は木枯らしが吹いているが、二人がいる場所は暖かい。立ちのぼる湯気が、ふんわりと二人を包み込んで温めている。
ピピピピッピピピピッ———
キッチンに電子音が鳴り響いた。
「れいちゃん、時間になったよ?これからどうしたらいいの?」
「コンロから下ろして、流水で一気に冷やしてください」
「分かった!」
「火傷に気を付けてくださいね」
「は~い!」
元気よく返事をした美寧は、コンロの上の片手鍋を両手で慎重に持ち、そのままシンクの中に移動させた。
水道のレバーを上げ、勢いよく音を立てる水の下で鍋の中のお湯を捨てる。そしてそのまま流水を鍋の中にかけた。
「こんなかんじ?」
「はい。熱くなくなったら、殻を剥いてもらって良いですか?」
「は~い!」
美寧は着ているニットの袖が落ちてこないよう、しっかりと肘までまくり上げると、玉子の殻向きに取りかかった。
リネン素材の薄桃色のエプロンは、幅広の共布の紐を腰の前で蝶結びにし、裾が膝上でふんわりと広がるのが可愛らしい。もう何か月も使っているから、すっかり体に馴染んでいる。
そんな美寧の隣に並んで立つ人は、左手に持った包丁を器用に動かしスルスルと大根を桂剥きにしていた。いつもの黒いエプロンを身に着けて、グレーのニットの袖をまくっている。
ゆで玉子の殻剥きに格闘し始めた美寧は、隣から見つめる怜の口元がゆるんでいることには気付かない。