耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
***


「うわぁ!」

美寧が「思わず」と言うように歓声を上げた。口の前で手のひらを合わせて、大きな瞳を輝かせている。

その彼女の目の前には白い皿。その上にはマフィンサイズのチョコレートケーキ。ミントの葉で飾られた生クリームが添えられている。

「フォンダンショコラです」

「フォンダンショコラ!―――いつの間に……全然気付かなかったよ……」

「あなたがお風呂に入っている間に。簡単な作り方のものなので、すぐに出来ますから」

「それでもすごいよ!」

実は昨日のうちに、中に入れるチョコレートガナッシュだけは作って置いたのだ。

甘いものが大好きな彼女を喜ばせたくて、ついつい気合が入りすぎてしまうことある。
が、それは今は秘密にしておく。

あくまで自分が作った「バレンタイン」はおまけのような位置づけにしておきたい。折角美寧が初めての手作りチョコレートをくれたのだから———。

「美味しそう!それにとってもいい香り……」

焼き上がったばかりのフォンダンショコラの匂いを吸い込み、うっとりとする美寧。

「食べてもいい?」

「もちろん。焼き立てが一番美味しいので、是非」

「ありがとう、れいちゃん。いただきます!」

スプーンを手に取った美寧。

フォンダンショコラにスプーンを差し込んだ瞬間、中からとろりと溶け出してきたチョコレートに「わぁっ」と歓声を上げた。

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