耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
***
「わぁっ、かわいい!」
怜に手を引かれて連れて来られたのは、噴水がある公園。
ライトアップされた噴水の周りはぐるりと一周花壇になっており、それを見た美寧は思わず歓声を上げた。
花壇の間には、カボチャのモニュメントが大小いくつか置かれ、中にライトが入っていて繰りぬかれた目と口から灯りが漏れる。脇にはおばけやコウモリの人形も置かれていた。
美寧が可愛らしいハロウィンのモニュメントに釘付けになっていると、後ろからふわりと温もりに包み込まれた。
驚いて振り返ろうとした時、「そのまま聞いてください」と静かな声が囁いた。
「贈り物———気に入りませんでしたか?」
「そんなことないっ!……お洋服もネックレスもすごく素敵!私にはもったいないくらい………」
慌てて首を振り、一生懸命否定する美寧の様子に、怜は「もったいないなんて事はありませんが、」と前置きしてから言う。
「言ったでしょ?全部俺の我がままだって。あなたを喜ばせる役をユズキに全部持っていかれるのは俺が我慢ならなかったのです」
「………」
なんて返していいのか分からない。
そもそも怜の言う『我がまま』とは何だろう。美寧が身に着けるものを買うことが『我がまま』になるのだろうか。
頭の中でぐるぐると思考が回り、何を言っていいのか分からない。美寧は黙り込んでしまった。
「そんなに難しく考えないでください。俺がミネに贈り物をしたかっただけなのですから」
少し困ったような声で怜はそう言った後、「ただ、あなたを喜ばせたいという俺の我がままです」と付け加えた。
「だからあなたが申し訳なく思う必要はないのです。むしろ気に入らなかったり要らないと思ったら、突き返してくれても良いのですよ?」
「突き返すなんて!……そんなことするわけない。すごく気に入ってるもの。毎日つけていたいくらい………」
「それなら良かった。無理やり押し付けてしまったのかと心配でした」
と言った怜。ほっと息をつく気配がしたから、彼が本気でそう思っていたのだと分かる。
美寧はそこで初めて思い当たった。
こんなに沢山の素敵な贈り物を貰ったのに、まだそのことに心からの『ありがとう』を怜に伝えていないことを。
ハッとした美寧は、その勢いのままグルリと体を百八十度回転させた。
腕の中で突然向きを変えた美寧に、怜が両目を見張る。そんな彼を見上げながら、美寧は口を開いた。
「れいちゃん、ありがとう。お洋服もネックレスも、ほんとはすごく嬉しい。大事にするね」
噴水のライトアップしている灯りに照らされる怜の端正な顔。精いっぱいのつま先立ちで伸びあがった美寧は、彼の顔に自分の唇を押し当てた。
「わぁっ、かわいい!」
怜に手を引かれて連れて来られたのは、噴水がある公園。
ライトアップされた噴水の周りはぐるりと一周花壇になっており、それを見た美寧は思わず歓声を上げた。
花壇の間には、カボチャのモニュメントが大小いくつか置かれ、中にライトが入っていて繰りぬかれた目と口から灯りが漏れる。脇にはおばけやコウモリの人形も置かれていた。
美寧が可愛らしいハロウィンのモニュメントに釘付けになっていると、後ろからふわりと温もりに包み込まれた。
驚いて振り返ろうとした時、「そのまま聞いてください」と静かな声が囁いた。
「贈り物———気に入りませんでしたか?」
「そんなことないっ!……お洋服もネックレスもすごく素敵!私にはもったいないくらい………」
慌てて首を振り、一生懸命否定する美寧の様子に、怜は「もったいないなんて事はありませんが、」と前置きしてから言う。
「言ったでしょ?全部俺の我がままだって。あなたを喜ばせる役をユズキに全部持っていかれるのは俺が我慢ならなかったのです」
「………」
なんて返していいのか分からない。
そもそも怜の言う『我がまま』とは何だろう。美寧が身に着けるものを買うことが『我がまま』になるのだろうか。
頭の中でぐるぐると思考が回り、何を言っていいのか分からない。美寧は黙り込んでしまった。
「そんなに難しく考えないでください。俺がミネに贈り物をしたかっただけなのですから」
少し困ったような声で怜はそう言った後、「ただ、あなたを喜ばせたいという俺の我がままです」と付け加えた。
「だからあなたが申し訳なく思う必要はないのです。むしろ気に入らなかったり要らないと思ったら、突き返してくれても良いのですよ?」
「突き返すなんて!……そんなことするわけない。すごく気に入ってるもの。毎日つけていたいくらい………」
「それなら良かった。無理やり押し付けてしまったのかと心配でした」
と言った怜。ほっと息をつく気配がしたから、彼が本気でそう思っていたのだと分かる。
美寧はそこで初めて思い当たった。
こんなに沢山の素敵な贈り物を貰ったのに、まだそのことに心からの『ありがとう』を怜に伝えていないことを。
ハッとした美寧は、その勢いのままグルリと体を百八十度回転させた。
腕の中で突然向きを変えた美寧に、怜が両目を見張る。そんな彼を見上げながら、美寧は口を開いた。
「れいちゃん、ありがとう。お洋服もネックレスも、ほんとはすごく嬉しい。大事にするね」
噴水のライトアップしている灯りに照らされる怜の端正な顔。精いっぱいのつま先立ちで伸びあがった美寧は、彼の顔に自分の唇を押し当てた。