耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
「っ、」
涼しげな瞳が見開らかれた。
一瞬触れただけですぐに逃げるように離れていった美寧の唇。触れたのは頬の下辺り。ほぼあごと言ってもおかしくない。
逃げるように踵を地面に戻し、美寧は顔を両手で覆った。
(失敗しちゃった~~。ちゃんとほっぺにしたかったのに!)
両手に埋めた顔が、燃えるように熱い。自分でやったこととはいえ、色々と恥ずかしすぎる。
美寧が必死に羞恥に耐えていると、突然「ああもうっ!」と少し乱暴な声で怜が言った。
そして次の瞬間、ぎゅうっと強く抱き締められる。
「にゃわっ」
「正直、もう何度あなたを連れて帰ろうかと思ったことか」
美寧が声を上げるのと、怜が言うのは同時だった。
(なんで?れいちゃん、怒ってるの?)
もしかして、さっきのお礼の仕方がまずかったのだろうか。
それとも『家に連れて帰ろうかと思った』ということは、やっぱり仕事で忙しかったのかもしれない。
涼香がなんと言って怜を呼んだのかは分からないけれど、きっと怜は自分の仕事を置いて、美寧の為にここまで来てくれたに違いない。
「お仕事忙しいのに、ごめんなさい……」
怜の腕の中でそう謝ると、怜が「違います」とはっきり言い、それから「ふぅ」と長い息をついた。
「ただでさえあなたは可愛すぎるのに………そのうえ、こんなに綺麗になって———」
耳のすぐ横、吐息が掛かるほど近くで低く囁かれ、美寧の心臓がどきんと跳ねた。
「ずっとこうして腕の中に閉じ込めて、誰の目にも触れさせないようにしたかった」
甘く注ぎ込まれる声。
「だけど俺には、あなたを閉じ込めるようなことは出来ない。だからせめて、俺が贈ったものをいつも身に着けていて欲しい———そんなものは、我がままでしかないだろう?」
眉を下げて浮かべる微苦笑。困った時の彼の顔。
その顔になぜか美寧の胸がきゅんと甘く疼く。
涼しげな瞳が見開らかれた。
一瞬触れただけですぐに逃げるように離れていった美寧の唇。触れたのは頬の下辺り。ほぼあごと言ってもおかしくない。
逃げるように踵を地面に戻し、美寧は顔を両手で覆った。
(失敗しちゃった~~。ちゃんとほっぺにしたかったのに!)
両手に埋めた顔が、燃えるように熱い。自分でやったこととはいえ、色々と恥ずかしすぎる。
美寧が必死に羞恥に耐えていると、突然「ああもうっ!」と少し乱暴な声で怜が言った。
そして次の瞬間、ぎゅうっと強く抱き締められる。
「にゃわっ」
「正直、もう何度あなたを連れて帰ろうかと思ったことか」
美寧が声を上げるのと、怜が言うのは同時だった。
(なんで?れいちゃん、怒ってるの?)
もしかして、さっきのお礼の仕方がまずかったのだろうか。
それとも『家に連れて帰ろうかと思った』ということは、やっぱり仕事で忙しかったのかもしれない。
涼香がなんと言って怜を呼んだのかは分からないけれど、きっと怜は自分の仕事を置いて、美寧の為にここまで来てくれたに違いない。
「お仕事忙しいのに、ごめんなさい……」
怜の腕の中でそう謝ると、怜が「違います」とはっきり言い、それから「ふぅ」と長い息をついた。
「ただでさえあなたは可愛すぎるのに………そのうえ、こんなに綺麗になって———」
耳のすぐ横、吐息が掛かるほど近くで低く囁かれ、美寧の心臓がどきんと跳ねた。
「ずっとこうして腕の中に閉じ込めて、誰の目にも触れさせないようにしたかった」
甘く注ぎ込まれる声。
「だけど俺には、あなたを閉じ込めるようなことは出来ない。だからせめて、俺が贈ったものをいつも身に着けていて欲しい———そんなものは、我がままでしかないだろう?」
眉を下げて浮かべる微苦笑。困った時の彼の顔。
その顔になぜか美寧の胸がきゅんと甘く疼く。