偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
適当に笑って、寝室に引っ込む。
ベッドにごろりと寝転び、受け取ってしまった小切手を両手で上げて見た。

「……これがあれば、どこへでも行ける」

契約反故の七百万の返済も、違約金も払える。
きっと、結婚してすぐの私なら、飛びついていただろう。

――でも、いまは。

「……はぁーっ」

ため息をついて起き上がり、ウォークインクローゼットへ行く。
和箪笥を開け、着物の間にそれを挟み込んだ。

「とりあえず、仲直りしないことには話すらできない……」

はぁーっとまた、ため息が落ちていく。
理由さえ聞かせてくれれば、仕事も諦められるかもしれない。
でも、御津川氏はそれすら、教えてくれないから。

やる気が出ずにベッドに寝転び、ぼーっと携帯でまんがを読む。
お金を気にせずに課金して、続きを読み続けた。
前ならこんなこと、できなかったけど。

「……李亜」

御津川氏の声が聞こえ、瞼を開ける。
どうも、いつのまにか眠っていたようだ。
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