偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「様子がおかしい、と橋本さんが……」

起き上がった私の隣に彼が腰を下ろしてくる。
窓の外はまだ明るく、いつも彼が帰ってくる時間よりもかなり早い。

「昼間から飲んで、ちょっと酔っ払ったみたいで。
もう、平気です」

笑って答えながらも、彼に甘えていいのかわからなかった。
今朝はまだ、朝食を残すほど怒っていた。

「なら、いい」

私に触れることなく、彼が立ち上がる。
やはりまだ怒っているのだと、気持ちがずん、と重くなる。

「話がある」

彼に促され、リビングへ移動した。
話ってなんなんだろう。
もしかしてもう、純さんは彼に一緒にフランスへ行くように命じたんだろうか。

「これを全部覚えろ」

「……はい?」
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