偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
バタン、とドアが閉まり、ひとり取り残された。

「役員会議……?」

もう、嫌な予感しかしない。
少しでもこの莫迦な考えばかりするあたまを落ち着けようと、株式の推移を眺める。
刻々と移りいくグラフをただ見ているのは無になれて、昔から私のリフレッシュ方法だ。

「え?」

九時の開場と共に、MITSUGAWAの株が徐々に下がっていっている。

「なんで?」

他の会社を確認するが、これほどの大きな変動はない。
それにMITSUGAWAでなにかあったなんて噂も聞いていなかった。

「……まさか」

……御津川氏の社長降板の話が広まっている、とか。

せっかく、冷静になろうと思ったのに、さらに肯定する材料を見つけてしまった。

「さっさと契約破棄しとけばよかった……」
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