偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「よく言われるんですよね。
そんなに似ていますか、彼と」

「……はい」

パチン、と彼がウィンクをし、彼女たちが目をハートにしてその場に崩れ落ちる。

「これからも李亜をよろしく。
……次、行くぞ」

「あっ」

強引に腕を取られ、次のテーブルへと向かう。
残りのテーブルはひたすら笑顔を貼り付けて凌いだ。
爽やかな笑顔で彼は出席者と言葉を交わしている。
もしかしたら私の勘違いかも、とかも思っていたが、他の人間にまで指摘されてますますその正体を確信した。
彼は間違いなく、あの日本最大手の警備会社『MITSUGAWA』の若き社長、御津川慧護(けいご)氏だ。
そのカリスマ性からよくビジネス雑誌に登場しており、私でもその顔くらいは知っている。
しかしながら私とは、全くもって接点がない。
あるとすれば会社が契約している警備会社がMITSUGAWAってくらいで。

「なあ。
花婿が違う気がするんだけど、気のせいかぁ?」
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