偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「……そう、ですか」

金で相手を買うのは問題ないのか、なんて口から出かかったけれど飲み込んだ。
だからこその結婚、なんだろうし。

「さっさと俺に会社を押しつけて、いまはカナダで悠々自適な暮らしをしている。
そうだな、近いうちに新婚旅行を兼ねて李亜を会わせにいこう」

御津川氏は決定事項だと言わんばかりの口ぶりだけど、そのとき私をなんと紹介するのだろう。
非常に、気になる。

「今日も疲れたな、そろそろ寝るか。
俺は明日、仕事だし」

彼が大きく背伸びをして、立ち上がる。
けれど私にはまだ問題あった。

「あの、明日から私はなにを……?」

会社は辞めたので私には仕事がない。
そして彼は私を買ったのだ。
なにかさせたいに違いない。

「別に?
好きに過ごせばいいが?」

「……は?」
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