オフィスラブはじまってました
そのとき、
「あ、猫だ」
と頭の上から声がした。
あの白衣の男がこちらを見下ろしている。
……人間もいます、とひなとは思ったが、この不思議な男の視線には、猫しか入っていないらしい。
ひなとが屈むと、猫は抱っこされようと飛びついてきた。
その猫を抱きとめたところで、ようやく、
「その猫、君んちの猫?
見ない猫だけど」
と彼は訊いてきた。
猫を抱いたことで、人間も認識してくれたようだった。
「いえ。
人懐っこいですね、この子。
うち、実家に猫がいるんで、猫の匂いがするんですかね?」
と今まで見たことがない人間の方には興味がないらしい男にひなとは言った。
彼は木から下りてくると、ひなとの腕にいる猫の頭を撫ではじめる。
あの、ちょっと近いんですけど……。
「あ、猫だ」
と頭の上から声がした。
あの白衣の男がこちらを見下ろしている。
……人間もいます、とひなとは思ったが、この不思議な男の視線には、猫しか入っていないらしい。
ひなとが屈むと、猫は抱っこされようと飛びついてきた。
その猫を抱きとめたところで、ようやく、
「その猫、君んちの猫?
見ない猫だけど」
と彼は訊いてきた。
猫を抱いたことで、人間も認識してくれたようだった。
「いえ。
人懐っこいですね、この子。
うち、実家に猫がいるんで、猫の匂いがするんですかね?」
と今まで見たことがない人間の方には興味がないらしい男にひなとは言った。
彼は木から下りてくると、ひなとの腕にいる猫の頭を撫ではじめる。
あの、ちょっと近いんですけど……。