オフィスラブはじまってました
「お前、唐草模様の風呂敷担いでなかったか?」
と訊かれたが。

 いや、唐草模様ではない……。

 風呂敷の柄が、雅士の頭の中のイメージに引きずられていったようだ。
 
「……ねえ、もしかして、雅士の従兄弟さんって、白衣とか着てる?」

「いや、白衣は着てない。
 うちの従兄弟が着てるのは――」

「萩谷《はぎや》ー、なにやってんだ。
 今日、朝一で出るって言ったろー」
とエレベーターホールから雅士を呼ぶ声がした。

「あっ、はいっ。
 今行きますーっ」
と先輩に呼ばれたらしい雅士が叫び返す。

「ともかく、そんな感じだから、会えばわかるよ。
 じゃあな、お疲れー」
と言って、雅士は行ってしまった。

 いやいやいやっ。
 あなた、そんな感じの、そんな感じなところを話してませんけどっ、と思いながら、ひなとは急いで先輩について行く雅士を見送った。



< 126 / 576 >

この作品をシェア

pagetop