オフィスラブはじまってました
「あんた、聞いてるのっ?
 ちょっと可愛いと思って、調子に乗ってんじゃないわよっ」
と怒鳴られ、驚いたひなとは、

「あっ、ありがとうございます」
と礼を言った。

 実は、この会社、大人っぽい美人の人が多くて、気後(きおく)れしていたのだ。

 やっぱり社会人の女性は違うな~と思って。

 髪型も化粧も服装も鞄もなにもかも、学生時代とは全然違う。

 格好だけ一生懸命真似てみても、私なんて、垢抜けない子どもが混ざってる、みたいな感じになってんだろな~、と思っていたので。

 素敵な大人の女性ばかりだと思っている先輩OLさんに、可愛いとか言ってもらってちょっと嬉しかった。

「あ、でもあの、私、部長に色目など使っておりませんが。
 ……そもそも、色目って、どんな感じにしたら、色目になるんですかね?」

 素朴な疑問だった。

 この女性が自分が色目を使っている、と感じたということは、自分の目つきのどれかが彼女の思う色目に相当しているはずだった。
< 158 / 576 >

この作品をシェア

pagetop