オフィスラブはじまってました
「ありがとう。
 助かるー」
と言うと、いやいや、と雅士は行こうとする。

「あっ、雅士っ。
 ねえ、雅士の従兄弟、白衣は着てないって言ってたけど。

 もしかして、黒い法衣を着てたりしない?」

 そう言うと、雅士は、
「アパートの周りもあの格好でうろついてんの? 良信《よしのぶ》」
と言って笑う。

 どうやら、緒方の下の名前は、良信というらしい。

 いや、あのアパートに坊主がふたりいなかったらの話だが……。

「俺、今度、また良信のとこ遊びに行くから。
 そんときは一緒に呑もうぜ」

 じゃあ、と雅士は彼女にも頭を下げ、行ってしまった。

 彼女はニコニコと愛想よく雅士を見送ったあとで、こちらを振り向き、言ってきた。

「ねえ、今度、あんたんち遊びに行っていい?」

 は? と慌てて、ひなとも向き直る。




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