オフィスラブはじまってました
 眼鏡をかけた細身で小柄な女性なのだが、その迫力から実際の身長よりかなり大きく見える。

 ひなとの視線を追った瑠美子が、ひっ、と息を呑んだ。

「す、すみませんっ」
と慌てて向き直り、頭を下げた瑠美子に、無情にも春日は言う。

「……謝らなければ私のことだとバレなかったかもしれないのにねえ」

 静かな口調なのが余計怖い。

 冷ややかに瑠美子を見下ろす春日を見ながら、ひなとは思っていた。

 春日局というより、戦国武将だ……。

 威圧的なその視線は、(きじ)も鳴かずば撃たれまいにのう、という感じだった。

 撃たれるっ! 荘田さんがっ、とひなとも一緒に怯える。
< 226 / 576 >

この作品をシェア

pagetop