オフィスラブはじまってました




「で、うちは寝袋いらないわよって、友だちに言われたんで、会社の備品倉庫の片隅に置いてた寝袋をとりに行ってたんですよ~」
と言うひなとの話を聞きながら、柚月はちょっと後悔していた。

 ひなとをスーパーに連れていくと言ったことをだ。

 ぽかぽかと天気のいい休みの日の住宅街。

 まるでカップルであるかのように、ジャンガリアンハムスターと俺はスーパーに向かって歩いている……。

 ひなとは最初こそ、人攫(ひとさら)いに連れ去られているかのごとき強張(こわば)った表情で話していたのだが、すでに普通の顔で何故、急にあのアパートに住むことになったのかについて語っている。

 順応性のあるハムスターだな、と思っていた。
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