オフィスラブはじまってました




 なんだろう。
 二人で食事に行ったのに、親睦を深め合うどころか、遠ざかってしまったような。

 今までにない気まずさのなか、食事をしてしまった。

 なんか一緒に帰ってても、会話、噛み合わなくなってるし。

 どうしたことだ、と夜道を歩きながら、ひなとは思ってしまい、思わず、心のままに言ってしまった。

「なんか、私たち、今、ギクシャクしてませんか?」

「……そんな気はするが。
 そういうとき、口に出して訊いてくるやつ、初めてみたぞ」

 そう柚月には言われたが。

 かつてないくらいの不安に襲われているひなとは、やっぱり、そのまま口に出してしまった。

「引っ越してすぐ柚月さんと出会って。
 今までとても楽しくやってきたので。

 なにかの弾みで、この関係性が変わってしまうのが、今、すごく怖いんです」

 だが、ひなとのその言葉を聞いた柚月は、実に微妙な顔をしていた。
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