オフィスラブはじまってました
「女の子自ら、自分のテリトリーに入ってきたら、なにしてもいいんだって、緒方さんが言ってましたよ」
と入野は、あの繊細な笑顔のまま言ってくる。

 鬼畜か。

 っていうか、田中さんが真っ青になってるんだが。

 まあ、入野さんとか緒方さんなら、そんな風に思ってても許されそうだが。

 女の子の方も期待してついてきてそうだし。

 特に見るからに肉食系の緒方さんとか。

 だが、自分はそういう人間ではないし、ひなともそういうタイプではない。

 これは日常の延長だ。

 ちょっと場所を変えただけの、と自分に言い聞かせる。

 その言葉を信じてご無体な真似をして、ひなとに嫌われたくないし。

 ……ひなとと進展したいと思って部屋に呼んだわけではない。

 たぶん……。

 そう、あいつは女の子というより、ちょっと可愛いハムスターだしな。

 ……だがまあ、このハムスター、オスではない。

 などと迷走しながら柚月は言った。
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