オフィスラブはじまってました
そして、いよいよ、金曜日が訪れた。
「緊張してきましたよ。
どうしたらいいんでしょうね?」
と夕方、ひなとはまだ人気のない201号室を見上げる。
珍しく早くに帰っていた緒方が、
「ともかく、自然に振る舞え」
と自転車を背負い、坊主の格好で言ってくる。
……なにも自然でないようだ。
「くそっ。
こんな日に仕事が……
おっと、趣味が入るとはっ。
今日は親父が行くはずだったのに。
急にカラオケ教室の日が変わったから代われとか言ってきやがったんだ、あの腐れ坊主めっ」
と緒方は毒づいていた。
「……カラオケ教室」
とそこで何故か柚月が首をかしげる。